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下村健一 (著) 首相官邸で働いて初めてわかったこと (朝日新書)

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官邸の広報担当者として、菅政権の看取りをした元テレビキャスター下村健一の模索の日々, 2013/5/26

By 歯職人

 元TBSのテレビキャスターであり、市民メディアの育成者であり理論的・実務的リーダー格であった下村健一氏の文字通りの「首相官邸で働いて初めてわかったこと」である。
 市民運動出身の菅直人とその出発時から縁を結び、自身はTBS社内にあってテレビキャスターとしての仕事をこなしながら、市民メディアの育成者であり理論的・実務的リーダー格として歩み、フリーランスとしても活動した下村健一氏。
 いわば自身が論じてきた政府広報と国民の「乖離」等を改善すべく、菅総理の要請により首相官邸での広報業務に就くこととなる。その中で、あの3.11の東日本大震災と東京電力福島原発事故の対応とその広報活動の一旦を担い。また、その後の政府の原子力政策、エネルギー政策の立案をインサイドから垣間見た。
 本書はそれらの官邸の日々の記録を中心に、政策の形成過程の力学が発現する現場を下村氏自身が確実に現認した場面を確実に押さえながら、広報と情報発信をあり方を考える一冊です。
 下村氏の基本的立場は、「お任せ民主主義」からの脱却であり、「この国の政府は、他の誰のものでもない「私たちの政府」」との基本認識と参加型民主主義への熱烈な心情にある。
 いわば失敗した「政権交代」を素材に、民主主義を育て、有権者が「私たちの政府」を如何に手塩をかけて育てるかとの課題を問う。
 下村氏の「怒ったり嘆いたりするだけの否定の論理からは、何も生まれない」との主張は、「政権交代初心者」の日本の有権者に、有権者自身に緻密でリアルな「セカンドオピニオン」形成の必要性を説く。
 民主党政権の誕生と崩壊の同時代に生きた者として、何らかの教訓を得るため必要な一冊ではないだろうか。
 
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4022734973/ref=cm_cr_mts_prod_img


朝日新書
首相官邸で働いて初めてわかったこと

下村 健一【著】

価格 \903(税込)
朝日新聞出版(2013/03発売)

内容説明

民主党政権は、なぜ国民への説明不足に終始したのか。官僚の作る言葉は、なぜあんなにもわかりにくいのか。日本のリーダーは、なぜ1年で代わってしまうのか。総理大臣を取り巻く、目に見えない“筒型の防火壁”。それでも霞ケ関広報に芽生えつつある、変化の兆し。―国家中枢に突然飛び込んだ、元テレビキャスターの現場報告。

目次

序章 学生ボランティア発→TBS経由→首相官邸着;第1章 ズルズルと税金泥棒へ―2010年10月22日〜12月;第2章 スパゲティ総理からの脱却を目指して 2011年1月〜3月11日;第3章 すべてを変えた東日本大震災 2011年3月11日〜5月;第4章 “首”カードと引き換えに 2011年6月〜9月2日;第5章 職場を変えて―“伝わる広報”への挑戦 2011年9月〜12年3月;第6章 原発広報―「再稼働」から「ゼロ戦略」まで 2012年4月〜10月

著者紹介

下村健一[シモムラケンイチ]
1960年東京都生まれ。東京大学法学部卒。85年TBS入社。アナウンサー等として活躍。99年にTBS退職後も「みのもんたのサタデーずばッと」などテレビ報道に携わりながら、市民メディアの育成につとめる。2010年10月から2年間、菅直人首相の要請で、内閣広報室審議官。13年から慶応大学特別招聘教授、関西大学特任教授など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

出版社内容情報

 3.11と原発事故、伝わらない情報、マスコミとの闘い――2010年10月から2年間、内閣審議官をつとめた著者が見た国家中枢。なぜ首相はすぐ代わるのか、なぜ「何も決められない」のか。政権交代でも変わらぬ官邸の掟とは。驚きの官邸見聞記。

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